
育児休業の基本
2025年10月改正分まで準拠
2024年11月15日作成 2026年1月31日更新
①育児休業の基本的な内容

育児休業とは、原則1歳未満のこどもを養育するための休業です。この育児休業は、育児・介護休業法という法律に定められています。
労働者からの育児休業の申出は、一定期間、労働者の労務提供義務を消滅させる意思表示ですので、職場での業務に従事する事の必要性が無くなり、会社を休む事ができます。
この事は、原則として、1歳未満の子供を育てている労働者が希望した時には、その労働者は仕事を休むことができるというルールを意味しています。
この育児休業は、会社の就業規則に記載されている必要性が有りますが、もし、記載がなくても育児休業を取得することができ、会社側はこの育児休業の申し出を拒めません。
なお、子供が1歳を迎えた時には、保育園が定員のため等の場合に、労働者が保育園での保育を希望しても入所できないなどの条件に該当する場合に限って、引き続き最高2歳の直前までの期間に育児休業が可能です。
②育児休業の詳しい内容
育児休業を取得できる労働者
1歳未満の子供を養育する労働者。
ただし、日雇い契約による労働者は除かれます。
また、有期労働契約で勤務する労働者の場合、子供が1歳6カ月までの間にその契約が期間が満了し、更新されないことが明らかでないこと。※2022年4月改正にて「引き続き雇用された期間が1年以上」という要件は廃止されました。
その他、それぞれの事業所にて労使協議により策定された労使協定された場合には次の労働者も除かれます。
・入社1年未満の労働者
・1年以内に雇用関係が終了する労働者(1歳以降の休業の場合は、6カ月以内に雇用関係が終了する労働者)
・週の所定労働日数が2日以下の労働者
対象となる子
子(実子、養子は問われません)
また、特別養子縁組の監護期間中の子、養子縁組里親に委託されている子なども対象となります
休業の回数
○子1人につき、原則2回
○以下の事情が生じた場合には、再度の育児休業取得が可能です
①新たな産前・産後休業、産後パパ育休、育児休業又は介護休業の開始により育児休業が終了した場合で当該休業に係る子又は家族が死亡等した場合
②配偶者が死亡した場合又は負傷、疾病、障害により子の養育が困難となった場合
③離婚等により配偶者が子と同居しないこととなった場合
④子が負傷、疾病、障害により2週間以上にわたり世話を必要とする場合
⑤保育所等入所を希望しているが、入所できない場合
○子が1歳以降の休業については、子が1歳までの育児休業とは別に1回ずつ取得可能です
○1歳以降の休業について上記①の事情が生じた場合に限り、1歳6か月又は2歳までの育児休業も再度の取得が可能です
期間
○原則として子が1歳に達するまでの連続した期間です
○ただし、配偶者が育児休業をしているなどの場合は、子が1歳2か月に達するまで出産日以降の産前・産後休業期間、育児休業期間、産後パパ育休期間を合計して1年間以内の休業が可能です
期間の延長
○1歳6か月までの育児休業は、次の要件(②ハに該当する場合は②ハのみ)に該当する場合に取得可能です
①子が1 歳に達する日において
(パパ・ママ育休プラスで1歳を超えて育児休業をしている場合にはその休業終了予定日において)いずれかの親が育児休業中であること
②次の特別の事情があること
イ 保育所等への入所を希望しているが、入所できない場合
ロ 子の養育を行っている配偶者(もう一人の親)であって、1歳以降子を養育する予定であったものが死亡、負傷、疾病等により子を養育することが困難になった場合
ハ 新たな産前・産後休業、産後パパ育休、育児休業又は介護休業の開始により育児休業が終了した場合で当該休業に係る子又は家族が死亡等した場合
③1歳6か月までの育児休業を取得したことがないこと
※同様の条件で1歳6か月から2歳までの延長可能です
手続き
○書面等で事業主に申出
・事業主は、証明書類の提出を求めることができます
・事業主は、育児休業の開始予定日及び終了予定日等を、書面等で労働者に通知する事が必要です
○申出期間(事業主による休業開始日の繰下げ可能期間)
1か月前まで
(ただし、出産予定日前に子が出生したこと等の事由が生じた場合は、1週間前まで)
1歳以降の休業の申出は、2週間前まで
(1歳到達日の翌日以降の休業の申し出は 1か月前まで)
(1歳6カ月到達日以降の休業の申し出は、1か月前まで)
○出産予定日前に子が出生したこと等の事由が生じた場合は、休業1回につき1回に限り開始予定日の繰上げ可
○1か月前までに申し出ることにより、子が1歳に達するまでの期間内で休業1回につき1回に限り終了予定日の繰下げ可
1歳以降の休業をしている場合は、2週間前の日までに申し出ることにより、子が1歳6か月(又は2歳)に
達するまでの期間内で1回に限り終了予定日の繰下げ可
○休業開始予定日の前日までに申し出ることにより育児休業の取得は撤回が可能です
○1歳までの育児休業は撤回1回につき1回休業したものとみなす事になります。1歳以降の育児休業は各1回撤回可、撤回後の再度の申出は原則不可
③出生時育児休業(産後パパ育休)の詳しい内容
産後パパ育休(出生時育児休業)を取得できる労働者
出生後8週間以内の子供を養育する労働者(産後休業を取得していない者に限る)。
ただし、日雇い契約による労働者は除かれます。
また、有期労働契約で勤務する労働者の場合、子供の出生日または出産予定日のいずれか遅い方から起算して、8週間を経過する日の翌日から6カ月を経過する日までその契約が期間が満了し、更新されないことが明らかでないこと。※2022年4月改正にて「引き続き雇用された期間が1年以上」という要件は廃止されました。
その他、それぞれの事業所にて労使協議により策定された労使協定された場合には次の労働者も除かれます。
・入社1年未満の労働者
・8週間以内に雇用関係が終了する労働者
・週の所定労働日数が2日以下の労働者
対象となる子
子(実子、養子は問われません)
また、特別養子縁組の監護期間中の子、養子縁組里親に委託されている子なども対象となります
休業の回数
○子1人につき、原則2回 (2回に分割する場合はまとめて申し出る必要があります)
期間
○原則として子の出生後8週間以内の期間内で通算4週間(28日)まで
手続き
○書面等で事業主に申出
・事業主は、証明書類の提出を求めることができます
・事業主は、産後パパ育休の開始予定日及び終了予定日等を、書面等で労働者に通知する事が必要です
○申出期間(事業主による休業開始日の繰下げ可能期間)
2週間前まで
(ただし、労使協定を締結している場合は2週間超から1カ月以内) 出産予定日前に子が出生したこと等の事由が生じた場合は、1週間前まで)
○出産予定日前に子が出生したこと等の事由が生じた場合は、休業1回につき1回に限り開始予定日の繰上げ可
○2週間前までに申し出ることにより、子の出生後8週間以内の期間内で通算4週間(28 日)の範囲内で休業
1回につき1回に限り終了予定日の繰下げ可
○休業開始予定日の前日までに申し出ることにより撤回可。撤回1回につき1回休業したものとみなす。2回撤
回した場合等、再度の申出は不可。
休業中の就業
○休業中に就業させることができる労働者を労使協定で定めている場合に限り、労働者が合意した範囲で休業中に
就業することが可能です
○就業を希望する労働者は書面等により就業可能日等を申出、事業主は申出の範囲内で就業日等を提示、休業前日までに労使合意
○就業日数等の上限がある( 休業期間中の所定労働日・所定労働時間の半分まで等)
○休業開始予定日の前日までに申し出ることにより撤回可。休業開始日以降は特別の事情がある場合に撤回可能
④育児休業の特例的な制度を活用した育児休業取得イメージ

⑤育児休業時期中の社会保険制度(保険給付)
出産育児一時金
健康保険の被保険者または被扶養者が、妊娠4か月(85日)以上で子を出産した時に出産育児一時金が支給されます。
出産育児一時金の支給金額は、1児50万円です。ただし、産科医療保障制度に未加入の医療機関の場合は48.8万円です。
なお、早産や死産、流産なども対象となります。
出産育児一時金は、受給方法に3パターン有り、現在はその内、協会けんぽから医療機関に直接支払う方式が最も多く利用されています。この場合には、出産を予定する医療機関から様々な手続きの為の書類と共に出産育児一時金の申請書も用意してもらい、労働者側にて申請書に記載を行い、医療機関に申請書を提出する事で手続きできます。
なお、実際に出産にかかった費用が50万円を超える場合は、その超過額を病院に支払う事になります。これとは逆に、実際に出産にかかった費用が50万円未満の場合は、後日、労働者が保険者(協会けんぽ等)に差額を請求して受け取る事になります。
出産手当金
健康保険の被保険者が、産前産後休業を取得し、その期間中の給与の支給が無い日について、出産手当金が支給されます。
産前産後休業の期間は、原則として産前42日と産後56日ですので 合計した98日間が、出産手当金の対象となる期間です。この産前の期間のスタートの日は、出産予定日を起算としています。その為、実際の出産日が、出産予定日と前後した場合には、出産手当金の対象となる期間も増減します。
出産手当金の1日当たりの金額は、『支給開始日以前12か月間の各標準報酬月額の平均額を30で割り日額相当とした金額の3分の2』です。
育児休業給付金
雇用保険の被保険者が育児休業を取得し、その期間中の給与の支給が無い日について、育児休業給付金が支給されます。
この育児休業給付金は、特例により、育児休業を2歳直前まで延長した場合、その延長した期間も支給されます。
育児休業給付金の1日当たりの金額は、『育児休業開始前6カ月間の賃金を180で割り日額総投資した金額の67%(支給日数が181日以降は50%)』です。
※給付の要件
上記の社会保険制度の上の保険給付には、被保険者期間などの要件を満たした被保険者に対して支給されます。
⑥育児休業時期中の社会保険制度(保険料の免除)
社会保険料の免除
健康保険と厚生年金の被保険者が育児休業を取得している期間中、社会保険料(健康保険料と厚生年金保険料)は、かかりません。
社会保険料の納付は免除されます。保険料の納付は免除となりますが、保険料の納付記録上は納付済とされます。この為、医療機関での健康保険制度からの給付、将来の老齢厚生年金の金額は、納付済という記録に基づいて利用できます。
社会保険料は1カ月単位で発生しますので、免除となる期間は、育児休業等を開始した日の属する月から終了する日の翌日が属する月の前の月まで、となります。
なお、賞与にかかる社会保険料は、賞与支給月の末日を含んだ連続した1カ月を超える育児休業等を取得した場合に免除となります。
そして、社会保険料が免除となり、被保険者本人ならびに事業主側の保険料の支払いが不要となります。
被保険者の方が、育児休業の前に産前産後休業を取得している場合には、この産前産後休業期間も社会保険料は免除となります。
